
其他名: 宇宙兄弟
放送星期:
开始放送: 2012-04-01
结束放送: 2014-03-22
国家地区: 日本
语言: 日语
宇宙兄弟
99 章节 5 页
弟弟日日人与哥哥六太
2012年04月01日
24分钟
2006年7月9日。星空の下、録音機を持って調査遊びをしていた南波六太(12歳)と日々人(9歳)の兄弟は、偶然にも月へ向かうUFOを目撃し、その感動から、『二人で宇宙飛行士になる』と、約束を交わした。
そして2025年。成長した弟・日々人(28歳)は、約束を守って宇宙飛行士になり、日本人初の月面着陸者として有名になっていた。しかし兄・六太(31歳)は、自動車メーカーに勤めてはいたものの、日々人の悪口を言った上司に頭突きをしてしまい、クビになって落ち込んでいた。
「兄とは常に弟の先を行ってなければならない」子どもの頃からそう誓ってきた六太にとって、弟が先を行く現状は本意ではなかった。心から弟の成功を喜びつつ、自分は何がやりたかったのかを見失っていた。
そんなとき、母に事情を聞いた日々人から、一通のメールが来る。『2006年の7月9日。ムッちゃんが録ってたテープを聴いてみろよ。』テープを探し出して聴くと、そこにはあの時に見たUFOのノイズ音が、しっかりと録音されていた。驚く六太だが、テープに記録されていたのはそれだけではなかった。そのあとには、ハッキリとした言葉で、子どもの頃の『約束』が残されていたのだ。「お前が月に行くんなら、兄ちゃんはその先へ行くに決まってる――約束だ、俺らは一緒に宇宙飛行士になるぞ!」
1カ月後。六太は日増しに強まる宇宙への想いを抱えてはいたものの、進むべき道を見つけられず、次への一歩を踏み出せないでいた。日々人との約束も守れず、申し訳ない気持ちでバイトから帰宅すると、なぜか自分あてにJAXAから封筒が届いていた。なんとそれは新規宇宙飛行士選抜試験の書類選考合格通知書。日々人の指示で、母がこっそり六太の履歴書を応募していたのだ。
思いもよらぬ宇宙への一歩に、嬉しさと感謝から泣き笑いの表情を浮かべる六太。果たしてその運命は、これからどう変わっていくのだろうか――!?
我的闪亮宝物
2012年04月08日
24分钟
日々人と母のおかげでJAXAの新規宇宙飛行士の選抜試験に書類合格した六太。しかし二人の気持ちには感謝しながらも、「兄が弟に引っ張られるわけにはいかない」と、このまま一次審査に進むべきか迷っていた。
悩んだ末、六太は子ども頃から世話になっている、天体観測所で働くシャロンに会いに行く。その心中に気づいたシャロンは、六太が子どもの頃、はじめて楽器を選んだ日のことを語りだした。六太が選んだ楽器は、一番音が出しづらい金ピカなトランペット。どんな難しいことにも進んで挑む子どもだったと言うのだ。
「今のあなたにとって、一番金ピカな事はなに?」シャロンのその言葉で六太はようやく気づく、自分はいつの間にか日々人の前で失敗することを恥じるようになり、本当に大事な気持ちを忘れていたということに。
「俺は……宇宙へ行きたい!」
数週間後。新たな気持ちで一次審査に臨んだ六太は、筆記試験を見事合格。続く二次審査へと進んでいたが、試験会場へ着いて早々、トイレの便器に携帯電話を落っことしてしまった。だが六太は、こんな時こそと前向きに考えようとする。
「失う物はなにもない!」
そして緊張した面持ちで二次試験最初の面接を受ける六太。しかしまたもやアクシデントが起きる。座った椅子のネジがゆるゆるで、質疑応答にまったく集中できないのだ。ネジを締めようと変な姿勢をし続けてしまった六太は、前向きな心などすっかり忘れ、不合格にされるのではと肩を落とす。実は面接官である星加が受験者を試すため、わざと緩ませておいたとも知らずに。
昼食時間。落ち込んだ六太のもとに、受験者の真壁ケンジが声をかける。同い年であることからすぐに二人は意気投合、近くには同じく受験者である伊東せりかも座っており、その美しさにも癒され、気を取り直すことができたのだった。
審査はまだはじまったばかり、これから続く一週間の試験では、一体なにが待ち受けているのだろうか――?
有利的男人与奔跑的女医生
2012年04月15日
24分钟
晴れてJAXAの一次審査・筆記試験を合格した六太は、宇宙飛行士になるため、続く二次審査に挑んでいた。
体力測定がはじまると、六太は同じ受験者である沢木と溝口から思いもよらない言葉を浴びせられてしまう。それは、『宇宙飛行士の弟から、試験内容を聞いているのではないか?』というもの。唖然とした六太はすぐさま心の中で叫ぶ。
「し……しまったー! その手があったんだ!」
どうやらほかの受験者は、そんな『有利に見える六太』を倒すため、何倍も猛勉強し身体を鍛えて努力してきている様子。しかし六太は、試験の内容などまったく聞いてこなかった。
「ってことはある意味……俺が一番不利じゃん……!」
「このままじゃ落とされる……全部一番になるくらいじゃないと――!」
そう思い焦っていたところ、今度は肺活量の試験がはじまった。子どもの頃から肺活量には自信があった六太は、ここぞとばかりに一番を目指す。早々に受験者がギブアップする中、六太と伊東せりかだけが残る。どちらが勝ってもおかしくない状況だったが、せりかの奮闘に思わず見惚れてしまい、六太は惜しいところで負けてしまった。
負けて消沈する六太を、フォローするケンジ。この試験は一番になることより、平均的に水準を超えた能力があるかを見られており、たとえ一番をとっても、精神的に問題があればダメだと言うのだ。せっかくの言葉にも六太は不安な表情を浮かべる。
「俺はその精神面が、一番自信ない!」
宇宙が遠のいたことにさらに落ち込み、展示された宇宙服を前にため息をつく六太。そしてせめて着ているように見えればと、ボックスにへばりつき、宇宙服のフードに顔を写していた。だがそんな恥ずかしい姿をせりかに目撃されてしまう。
「これで俺はもう……変人決定だ!」
二次審査も残りわずか。ショックなことも盛りだくさんで、ある意味一番不利かもしれない六太だが、宇宙へ行きたいという強い想いを胸に、奮闘を続ける!
日日人的旁边
2012年04月22日
24分钟
一週間続いたJAXAの二次審査も、残すは最終面接だけとなっていた。これまでなにかと宇宙飛行士である弟・日々人と比べられ、はた迷惑な注目を浴びていた六太も、ここぞとばかりに気合を入れる。力を尽くしてきた六太にとって、次の三次審査に進めるかどうかは、この面接次第なのだ。
なんとか最終面接を終え、六太が廊下で見たものは、歴代の宇宙飛行士たちの肖像写真パネルだった。日々人のパネルを見つけた六太は、まだ空いているその隣に手をあて、宇宙服姿でにやけ笑いをしている自分を想像する。
「弟の隣に兄がいなくてどうするんだよなぁ。――ここは、俺の場所だ!」
六太はキョロキョロあたりを見回すと、指をなめて壁に押し付けた。
「唾つけとこ」
その夜。試験を終了し、ほっと一息ついた受験者たちは、居酒屋で打ち上げをしていた。ほろ酔いになった六太もご機嫌に語り、最終面接でされた突飛な質問を振り返る。
『最近、自分のことでなにか発見したことは?』
ほかの受験者たちは真面目な回答をしていたようだが、六太の答えはまったく違っていた。
「みんなより……シャンプーがよく泡立ちます!」
一気に酔いがさめ、わざわざ面接で言うことじゃなかったと後悔する六太。そこにさらに追い打ちがかかる。憧れのせりかにアドレスを交換しようと言われたが、携帯電話を失ったままだったのだ。豪快に落ち込む六太を救ったのは、ケンジの一言。
「みんなのアドレス、メモったから」
ケンジが神様のように見えた瞬間だった。
後日。携帯電話を再購入した六太のもとに、日々人から電話がくる。それは、NASAに来ないかという誘いだった。三次審査は何カ月も先、それまで宇宙飛行士の訓練や仕事ぶりをみるチャンスだというのだ。しかも家族は支援プログラムが使えるため、タダで行けるとのこと。合否の心配はあれどNASAの誘惑に負けた六太は、ついに日本を離れ、日々人のいるアメリカ・ヒューストンへと出発する!
有所欠缺的日日夜夜
2012年04月29日
24分钟
JAXAの二次審査を終えた六太は、日々人に呼ばれ、NASAの家族支援プログラムを使ってタダでアメリカ・ヒューストンへ来ていた。
待ち合わせ場所で日々人の飼い犬・アポに追いかけられるも、ようやく日々人と再会を果たした六太。しかしその夜、いまだ兄弟一緒に宇宙へ行くと信じて疑わない日々人に、六太は言いづらい言葉を放った。
「……俺に行けるわけねぇだろ」
今の自分は常に宇宙飛行士である弟と比べ続けられる存在。誰も『南波六太』とは呼んでくれない。認めたくはなかったが、『自分が宇宙へ行くのは無理』とはっきり伝えたのだ。しかし日々人は無理だとは思っていない様子。
「今と昔で違うもんがあるとすりゃ、それはムッちゃんが俺と張り合わなくなったってことだ。もっと張り合えよ……つまんねえよ」
翌日。日々人からの手紙でNASAの見学に誘われた六太。だが昨日言われた言葉が頭から離れず、なかなか出かけることができないでいた。そこにアポを連れた散歩帰りのスミス夫妻がやってくる。
「君、ムッタか? そうだろ?」
「そうよ、ムッタよ、ムッタ」
なぜか六太を見て笑いだすスミス夫妻。いつも日々人から六太のことを聞いており、はじめて会った気がしないと言うのだ。スミス夫妻が日々人に六太のことを聞くと、いつもこう答えるらしい。
『ムッちゃんは今頃日本で、宇宙飛行士になる準備をしているはずだよ、ムッタは準備中!』
必ず六太が宇宙飛行士になってくると思っていた日々人にとって、自分だけが進んでいる毎日は『足りない日々』だったようなのだ。
日々人の言葉の真意を知ったことで、六太の心境に大きな変化が起きた。日々人の『足りない日々』を埋めるため、六太は兄として弟と張り合い、自信を持って歩き出そうと決めたのだ。そのことを告げるため、六太は日々人に手紙を書く。その内容は――。
『今日行かなかったのは寝グセがひどかったからだ。明日は俺もNASAへ行く!』
萦绕在脑海中的其他因素
2012年05月06日
24分钟
日々人の招きで、ついに宇宙の本場、NASA・ジョンソン宇宙センターを訪れた六太。月面基地や火星探査のジオラマ展示に子どものようにはしゃいでいたが、案内役であるジェニファーに日々人のトレーニング姿を見せられ、その心境は一変する。日々人は誰よりも激しいトレーニングをこなし、『サムライボーイ』と呼ばれる人気者だったのだ。
その夜六太は、テレビ出演する日々人を、自室でぼんやりと眺めていた。 「日々人がサムライなら、俺はなんなんだ?」 努力家で人気者の弟と、兄でありながらふがいない自分を比べる六太。 「俺は……引き立て役。柿ピーの中のピーナッツくらいのもんか」 しかし日々人はそう思ってはいない。出演中、全米に向かって『自慢の兄・六太』を堂々と褒め称えたのだ。
「ほめんなよ~! ピーナッツ兄を……!」 毛布をかぶって悶えていたところ、かつて勤めていた会社の元後輩から電話がかかってくる。その内容は、『元上司が六太の悪口をあることないことJAXAにぶちまけた』というもの。さらに『宇宙飛行士に向いてない』とまで言ったというのだ……。
翌日。アトラクションコーナーでバンジージャンプをしながら、六太は子どもの頃に聞いたJAXA職員の言葉を思い出していた。 『宇宙飛行士になるには強い運が必要――私にはその運がなかった』 シャロンや日々人との約束を思い、辛い表情で宙を舞う六太。 「俺にもどうやら運がなかった――ちくしょー!」
そしてJAXAでは、やはり六太が不合格にされそうになっていた。元上司の発言のせいで、『暴力沙汰を起こした過去をもつ男』にされてしまったからである。 「もともと南波君の方が優位だったのに、過去の過ちがねじれ伝わったせいで不合格にされてしまったら、運がなかったとしか言いようがない……」 子ども時代の南波兄弟を知る審査員の一人・星加は、六太が弟のために頭突きしたことを調べ、その決定に異議を申し立てようとしていた。
日日人亲启
2012年05月13日
24分钟
元後輩からの電話で、『元上司が六太の悪口をあることないことJAXAにぶちまけた』と聞いた六太は、興味のないゴミ情報やゴミ知識を一心不乱に集める『コロコロムッタ』へと変身してしまっていた。『六太は嫌なことがあると変身することがある』、それを知っていた日々人は、なにかあったのかと問い詰める。最初は受け流す六太だったが、どうせこの先わかることだからと覚悟を決め、重い口を開いた。
「――92%、俺、落ちた」
さらに六太は続ける。ドーハの悲劇生まれの自分には運がなく、次の試験だっていつあるかわからない、宇宙飛行士の夢は諦め、別の仕事を探す――子どもの頃にJAXAの職員が言っていた言葉、『宇宙飛行士になるには強い運も必要なのだ』と。それを聞いた日々人は言い放った。
「諦めんなよ。もし諦められるんなら、そんなの夢じゃねえ」
ズキリ! ……胸が痛む六太。日々人に言われた言葉は、兄として自分が言ってやりたかったものだったのだ。
翌朝、六太はオジー夫妻とレストランに来ていた。日々人が行っている『目隠し訓練』を実際にやってみせるため、六太は両手で目を覆い隠し、店にいる客の様子を瞬時に細かく言い当てた。おおはしゃぎするオジー夫妻だが、六太は悲観的だ。
「こんなことが出来たって宇宙飛行士になれるわけじゃない。俺には運がないから……」
六太がため息をついた直後、突然店内が慌てふためいた。なんと六太たちがいるレストランが、いま巷を騒がせている『強盗犯・消火器男』に襲われてしまったのだ。モクモクと白い煙が立ち込める中、六太は強く確信した。
「俺には運がないと言ったが訂正する――俺はなにかと不運に縁がある!」
一方JAXAでは、星加が『六太は弟のために頭突きをした』という真実を審査員たちに伝え、合格を再検討して欲しいと説得していた。そこに職員の一人が駆け込んでくる。六太がアメリカで大変なことになっているというのだ――!
白烟天国
2012年05月20日
24分钟
消火器男に襲われピンチを迎えた六太だったが、結果、市民を救ったヒーローとして人気者になってしまっていた。六太を称賛する声は一斉に広がり、全国ネットのテレビにも出演。一緒にいたオジーも『ムッタが我々を助けてくれたんだ!』と熱弁をふるった。司会者もあとに続く、『六太が犯人を倒すことができたのは、弟・日々人と同じ宇宙飛行士を目指しており、目が見えない場所でも動けるよう日頃から訓練をしていた成果なのだ』と。ますます盛り上がる観客の中、六太だけは冷や汗を浮かべていた。
「違うんだよみんな、本当は全然違うのよ。――あの時、俺は……」
司会者からマイクが渡され、ついに六太のヒーローインタビューがはじまる。その心中は、『本当は転んだだけなんだ……本当のことを言った方がいい』と葛藤していた。だが観客の中に美女を見つけてしまい、美女の前でいい格好をしたかった六太は、思わず、『正義の前でウソがつけない』と大ぼらを吹いてしまっていた。
テレビ出演が終わり、トイレでオジーに本当のことを話す六太。実は犯人を倒したのは日々人の飼い犬・アポであり、転んだとき偶然犯人に頭突きをくらわしてしまっただけなのだと。しかしオジーは笑う。『全部知っていた』と言うのだ。オジーは六太がアポを助けに行った姿を見ており、その勇気に六太がうまくいく方に賭けたのだと。さらにオジーは続けたる。『運も実力のうちだ!』と。
数日後、両親からのビデオメールで、JAXAの2次審査に無事通過したことを知る六太。消火器男の一件は日本でもテレビ放送されており、それがJAXA内でも『勇気ある行動をした南波六太』として、よい方向に動いたようなのだ。
その夜、帰国の準備をしていた六太は、ふと家具の下に封筒が隠されているのを発見する。
「どれどれ、兄がチェックしてやる――……ん?」
少し読み、一変して神妙な面持ちになる六太。それは日々人が書いた、『遺書』だった――。
各自的觉悟
2012年05月27日
24分钟
JAXAの3次審査を受けるため日本へ帰国することとなった六太。しかし嬉しいはずのその表情は硬く、飛行機の中でも悪夢にうなされてしまっていた。それは帰国前、部屋で偶然みつけてしまった日々人の『遺書』が理由だった。宇宙でも事故は起こりうる。そのことは知っていた六太だが、実際に自分の弟が死を覚悟しているというのはショックだったのだ。
心に重い荷物を抱え実家に帰ってきた六太は、ノンキに出迎える父と母の様子に、つい苛立ってしまう。
「そんなノンキでいいのかよ、日々人は言書まで書いてんだぞ!」
父も母も一瞬表情を曇らせるが、すぐにいつもの調子に戻る。『あんたも飛行士になったらいずれ書くのよ! 死んでから恥かかないように、今のうちにきれいな字を練習しときなさい』と、六太に書道をすすめるほどだ。六太が圧倒されているところ、ちょうど携帯のアラーム音が鳴る。もうすぐ日本の夜空にISS(国際宇宙ステーション)が通るのだ。
子どもの頃と同じように、丘にISSを見に来た六太。ISSはもうボロい宇宙船。にも関わらず、それぞれの覚悟を乗せ、まだ現役で働いている。六太はこれまで、その姿が見える1~2分間に何度も救われてきたという。父も母もノンキに見えるが、実はあれでもう覚悟ができているのだ。決意の瞳で空を見上げる六太。
「俺にも、その時が来た!」
数日後。六太はケンジと合流し、合格祝賀会へと向かっていた。せりかも合格しており、それぞれ宇宙への希望を語りはじめる。ケンジは火星へ、せりかはISSに搭乗したいのだという。しかしISSはもうすぐなくなってしまう船。せりかがそれを知らないはずはない。疑問を持った六太は、せりかと仲の良い青竹に話を聞く。せりかは父の遺志を継ぎ、不治の病の新薬を作りたいというのだ。それが唯一できるのが、ISS・きぼうモジュールなのだと。六太は唇を噛みしめた。『自分には宇宙に目的があるのか――?』と。
巴士巴士冲冲冲
2012年06月03日
24分钟
ケンジもせりかも、強い覚悟や動機があって宇宙を目指していると知った六太。しかし自分はただ宇宙への憧れだけ。ほかの受験者と比べ、自分にはなにがあるのかと、憧れだけで宇宙飛行士を目指してよいのかと迷っていた。
三次審査当日、六太はシャロンに会いに来ていた。子どもの頃を知り、宇宙への想いの強さを知っているシャロンは、六太の気持ちを優しくほぐす。
「好奇心だったり、憧れだったり。入口は夢見る少年少女よ。ムッタと同じ。――迷うなら、なってから迷いなさい」
三次審査は2週間の泊まり込みで行われるという。合格者人数は前回の3倍、15人が残っていた。理事長・茄子田のかけ声で、さっそく外へ移動するよう指示される六太たち。そこで待っていたのは、窓という窓を鉄板で塞がれた、異様なバスだった。
受験者たちは携帯電話や腕時計を預け乗車。座席に座ってすぐ、違和感に気づいたケンジが六太に同意を求めた。
「なぁ、ムッ君……気づいた?」
「あぁ……乗った瞬間ピンと来たよ」
注意深いケンジは、車内の全席がカメラで監視されていることに気づいたのだ。しかし六太が気づいたところはまったく違っており――。
『このバスの運転手は――ヅラだ!』
車内からは景色は見えず、行き先も極秘。しばらくすると、JAXA職員の指示で受験者たち同士の『交流会』が始まった。隣り合った人と10分間きっちり話し合い、合計140分間しゃべり続けろというのだ。何人かが動揺する中、六太だけは『せりかさんと二人きりで話せる!』と意気揚々。
140分が過ぎ、それぞれどんな人物なのか知ったところで、今度は『自分も含め宇宙飛行士に向いていると感じた人の優先順位をつけろ』と指示が出る。何に使われるのか全く不明だが、皆黙々と書いていく。バスは受験者たちが就寝したあとも走り続け、何時間走ったのかもわからなくなった頃、ついに停車する。そこで六太たち受験者を待っていたものは――?
被关起来的对手们
2012年06月10日
24分钟
六太たち受験者を乗せた閉鎖バスは、ようやくその目的地へと到着していた。そこはまたしても、外の様子が見えない不気味な場所。しかも出発から何時間たったのかまったくわからない状況に、一部の受験者たちは不安を募らせていた。
やがてJAXA職員・鶴見に先導され、『最後の部屋』と呼ばれる空間にたどり着く六太たち。そこで見せられたのは、月面から帰還するブライアンら宇宙飛行士3人が事故に遭い、亡くなるまでの衝撃的な映像だった。受験者たちは『宇宙飛行士にとって事故に遭う可能性はゼロではないこと』、『彼らのように死を受け入れ、行動し続ける覚悟があるかということ』を再認識・再確認する。
六太も決意を固め、配られた免責書に『南波六太』と署名した。
「俺は……死にたくはない! だけど……もうやることは決まっている。死ぬのは嫌だが――死ぬまでに宇宙へ行けないって言うのは、もっと嫌だ。」
全員が署名し、今度は5人一組、A・B・C、3班に分かれることになった。これから班ごとに別の閉鎖環境ボックスに入り、そこで2週間、管制から与えられる様々な課題に取り組んでいくのだ。そして最終日には、各班互いに話し合いをして、全員意見一致のもと、5人の中から2人だけ宇宙飛行士にふさわしい者を選ぶのである。
六太のいるA班のメンバーは、せりか、福田、新田、古谷。閉鎖ボックスの中へ入ると、早速、最初の課題が出された。それは、『5人で話し合い、現在の時刻を推測して時計を合わせろ』というもの。制限時間が10分ということもあり、さっそく各々の答えを発表したのだが、六太の答えだけは、ほかの4人と違っていた。皆が計算しAM6時頃と答える中、六太だけはAM3時と答えていたのだ。新田と古谷がその計算方法を問い詰めたところ、頭をかきながら発言する六太。
「そんな計算いらないんだよね。」
なぜ六太はAM3時と回答したのか、勝算はあるのだろうか――!?
我的名字叫伊东芹夏
2012年06月17日
24分钟
A・B・C班、それぞれの閉鎖ボックス内で出された最初の課題は、『いま何時でしょう?』というクイズ。だがA班のメンバーは早々に意見が分かれてしまう。福田・せりか・新田・古谷の4人がAM6時頃と答える中、六太だけはAM3時頃と答えたのだ。しかし六太は勝算がある様子でエアそろばんを弾き発言する。
「実は俺、みんなの知らない数字を知っているんだよね。」
六太は『バスが走った距離』を知っており、時速も体感でわかるため間違いないと断言したのである。それを聞いた福田やせりかは関心するが――……六太の心中は複雑だった。
『ま、まただ……。またやってしまった』
実はアメリカのテレビ番組に出演したときのように、六太はまたカッコつけるべく、逆算してまでウソ話しをでっちあげたのである。本当はメーターなんて見ておらず、運転手のヅラを再確認したとき、たまたまAM2時を表示しているバスの時計を見ただけなのだ。管制から発表された正解は、六太の言った通りAM3時8分。
『なあ、教えてくれよオジー。これも……俺の実力ですか……?』
閉鎖ボックス2日目。食事を終えた各班は、最終日にどうやって2人を決めるかを話し合っていた。B班は点数制、C班は投票箱に毎日MVP2人の名前を投票する方法、A班はまだお互いのことを知らないため、誰がふさわしいか自然とわかるまでは決めないということになった。
A班のメンバーは、まずお互いを知るため、改めて自己紹介をすることにした。和気あいあいの空気に気が緩んだのか、六太に『せりか』と下の名前で呼ばれたせりか。ふと、小学校の頃、自分の名前の意味を父に尋ねたことを思い出していた。『せりか』という名に意味はないが、とても大切につけられた名だということを――。
照れを隠しながらも名前をほめてくれた六太に対し、せりかは『せりか』って呼んでくれていいですよと伝えるのだった。
「自分の名前、気に入っているんです。」と。
三次元蚂蚁
2012年06月24日
24分钟
せりかに下の名前で呼んでもいいと言われ浮かれる六太。さっそく呼ぼうとした瞬間――遮るように現れたのは、今までトイレに入っていた新田だった。
「ちょっとそこ通してよ、……お兄ちゃん。」
自分を『お兄ちゃん』と呼ぶ新田に対し、ムッとする六太。しかしすぐにニッと親指で自分を指すと、軽やかな笑顔を浮かべた。
「おい、新田君! 俺のこと……下の名前で呼んでくれていいんだぜ? 別に気に入ってないけど。」
少しの間、無言で六太を見る新田だったが――。
「わかった――次の課題で俺に勝てたら……呼んであげるよ、……お兄ちゃん。」
次の課題は、ランニングマシンで走りながら5分間で計算問題を何問解けるかという『計算ランニング』だった。この課題で新田に勝ち、下の名前を呼ばせたい六太は、唯一の特技・エアそろばんで挑む。しかし結果は惨敗。そろばんをリアルに再現しすぎてしまい、走っている最中動いてまったく使い物にならなかったのだ。
「普通に計算した方が早かった……」
うなだれる六太に対し、新田は余裕の表情。
「残念だな、お兄ちゃん。……また明日、勝負してあげるよ。」
何も言い返せない六太、悔しげな表情で――。
「くそう……負けねえぞ新田……! この2週間以内に絶対……『ムッちゃん』と呼ばせてやる!」
さらに続く課題は――難題だった。『多額の予算がかかる宇宙開発事業を非難する辛口キャスターを納得させられるような文章をつくれ。』というものだったのだ。みんなが悩み考える中、六太は白紙にスッと一本の線を引くと、その線をじっと見つめた。子どもの頃日々人と聞いた、宇宙飛行士・野口聡一さんの『3次元アリ』の話を思い出していたのだ。そして色々考えた結果、六太が出した文章は『白紙』。『抗議はしない。』という答えを出したのだ。
「日々人がいる。もうすぐ、日々人が月に立つんだ。」
誰に批判されたって、日々人が帳消しにしてくれる。そう確信したゆえの六太なりの答えだった――。
坏掉的眼镜与脚底
2012年07月01日
24分钟
閉鎖ボックス内の合宿が5日目ともなると、各班にも性格が現れてきた。C班は穏やか、六太がいるA班はにぎやか、しかしケンジのいるB班だけは、微妙に険悪なムードが漂っていた。頭脳明晰なメンバーが集まっているB班は、互いのプライドが邪魔をしてしまい、心に壁ができてしまっていたのだ。だが、楽しげに過ごしていた六太たちA班にも問題が起きる。福田の眼鏡を古谷が誤って壊してしまったのだ。しかし福田は笑顔を見せる。
「いや……大丈夫だよ。なくても大して影響はない。」
福田は眼鏡がないまま、必死に課題をこなしていた。最年長である自分が宇宙飛行士に選ばれるためには、若い受験者よりも同等以上であることが最低条件だと思っていたからだ。隠れて息を整え、子どもの頃からの夢を想う福田。有人ロケットを作って、それに乗って宇宙へ行くという大きな夢は、いまも福田の中で輝いていたのだ。
「胸を張れ! ここまで来たんだ。自分の年なんて忘れよう! ――私の夢は、年を取っていない!」
一人頑張り続ける福田を六太たちは心配し続けていた。そして古谷も、福田に謝れないでいた。素直になれない古谷は、福田がロケット開発に携わっていたことを有利だと言い放つ。
「俺はあの人別に不利だとは思わへん。ハンデつけてようやく今水平ラインや。」
しかし、せりかは異論を唱える。福田は今回の宇宙飛行士の募集が発表された時、すぐに会社を辞めたと聞いていたからだ。今の地位も捨てられるほど、今回の選抜試験にかけているのだと。
その夜、古谷は監視カメラの前で紙を広げた。その紙には『福田さんの新しいメガネを用意してください。お願いします』と書いてあった。一礼し、自分の足を見る古谷。そして軽く2、3度床を踏むと、その感触を確かめた。
「なぁんや……こんなことで、消えんのかい。」
素直になれたことで気分が軽くなったのか、ずっと残っていた眼鏡を踏んだ時の感触が、ようやく消えたのだった――。
大家来聊聊宇宙吧
2012年07月08日
24分钟
閉鎖ボックス内の合宿も後半をむかえる。六太たち受験者は、交代でボックス内にあるテレビ電話ルームへと入っていた。テレビモニターの前には医師がおり、一日に一回、個人問診を受けることになっているのだ。福田の番になると、医師は『古谷からプレゼントがある』と伝える。パスボックスを開けると、そこにはケースに入った眼鏡が置いてあった。古谷の気持ちを尊重した管制が、用意してくれたのである。
その夜、ケンジのいるB班では――。真夜中だというのに、寝室にはけたたましいアラーム音が鳴り響いていた。みんなで解決策を探そうとするケンジ。だが、メンバー内で主導権を握ろうとする溝口は、犯人捜しに躍起になってしまう。意見がわかれB班の雰囲気は悪くなる一方。最終日に自分が選ばれるため、互いに争う形になってきてしまっていたのだ。
翌朝。事件は六太のいるA班でも起きていた。唯一の時計がなくなっていたのだ。管制に聞いてみるも、『中で起こった問題は、自分たちで解決するように。』としか言われない。そしてようやく見つけるも、その時計はめちゃくちゃに壊されていたのだった。
そんな中、真っ白なピースのジグソーパズルを3時間作業しろという課題が出される。時間もわからずなかなか進まない作業状況。イライラを募らせた古谷が口を開いた。
「誰やねん、時計壊したやつ。」
犯人は名乗り出るはずもなく、空気は険悪なものになってしまう。しかし、それを打破するように六太が立ち上がった。
「宇宙の話をしよう――もっと宇宙飛行士気分でいこうぜ。」
六太はさらに続ける。もし火星へ行く船の中で時計が壊れたとして、その時自分たちはどう行動するのか、それを見るためにJAXAの人が壊したのだと――。
だが、そう言いつつも六太の頭の中は混乱していた。
『できれば俺が言った通り、JAXAの人が犯人ならよかった……!』
なぜなら、六太は昨晩見てしまったのだ、福田が時計を壊しているその姿を――!
只有警铃,没有时钟
2012年07月15日
24分钟
三次試験も後半。真っ白なパズルを組み立てながら、六太の心はモヤモヤしていた。
「分からない……このパズルみてーに、頭ん中が真っ白になりそうだ!」
A班では、閉鎖ボックス内唯一の時計が、何者かの手によって壊される事件が起きていた。そしてその犯人が、みんなから慕われるリーダー・福田だということを、六太は目撃してしまったのだ。
時間もわからず、班内の疑心暗鬼は強まるばかり。六太にも疑惑の目が向けられてしまう。
『チクショー…こうなったら、暴露してやるか……! 福田さんが犯人だって!』
しかし――。福田が理由もなくそんなことをするだろうか?『いや……何か……ひっかかる……』そうこうしているうちに終了ブザーが鳴り、課題の時間が終わってしまった。
課題後、六太は意を決し、福田を呼び出す。誰もいないところを見計らい、時計を壊した理由を福田に問い詰める。しかし福田は――。
「さあ……なんでだろうね。――もし君がその理由に気づいたら、その時は握手でもしよう」
そんな風に答えを濁す福田の言動に、六太のモヤモヤは膨らむばかり。
一方、ケンジのいるB班では――。連夜鳴り響くアラーム問題を解決するため、ケンジは一人通路で寝ていた。娘のことを想いながら課題の続きのパズルをはめていると――例のアラーム音が鳴り始める。飛び起きて、必死に音の出どころを探すケンジ。しかし見つけられない上に、ケンジを犯人と決めつけようとする溝口との仲が、険悪なものになってしまう。さらに、班内で新たな問題が勃発。なんとA班と同じように、唯一の時計が壊されてしまったのだ。
管制では――。JAXA職員たちと星加が、いくつものモニターをチェックしていた。受験者たちがはめている手首のバンドからの情報で、心拍数や汗、ストレス情報が手に取るようにわかるのだ。日が経つにつれ、激しく変動する受験者たちの折れ線グラフ。星加曰く、『緑のアレ』の仕業らしいが――?
なぜなら、六太は昨晩見てしまったのだ、福田が時計を壊しているその姿を――!
犯人就在我们之中
2012年07月22日
24分钟
閉鎖ボックス内・10日目の深夜。A班メンバーが寝静まる寝室に、突然けたたましいアラーム音が鳴り響いた。時計が壊される事件に引き続き、また問題が起きたのだ。古谷の明らかにおかしい行動にいち早く気づいた六太は、思考をめぐらせる。管制の見ている前で、福田や古谷が自らの夢を壊すような行為をするとは思えなかったのだ。そして、二人を信じた六太は、一つの考えにたどり着いた。
『となると、やっぱりこれは、JAXAの演出……』
六太は思い出していた、NASAの施設内で知った『グリーンカード』のことを。グリーンカードとは、仲間のミスによるストレスをどうコントロールし、不測の事態をどう切り抜けるか、それを調べるために、チーム内で極秘にトラブルを起こさせるものだった。
六太は、こっそりと古谷に質問する。
「正直者のやっさんに、1個質問――グリーンカードもらった?」
「……そ、それだけは答えられへん!」
古谷が答えられないということは、紛れもなくグリーンカードをもらったということ。その答えを知るなり、六太はまっすぐ福田のもとに歩み寄った。「福田さん――よかった!」晴れやかな顔で硬い握手をする六太と福田。福田の行動は、すべてグリーンカードによる指示だったのだ。
そんな中、新田はまだアラームを探していた。グリーンカードの存在をまだ知らず、一人モヤモヤする新田に、六太は言う。
「これだけははっきり言えるよ。この中には……悪い奴は一人もいない!」
そんな六太の言葉のおかげか、A班はグリーンカードを乗り越え、楽しげな雰囲気が戻った。
その翌日、A班にまた新たな問題が浮上する。せりかが個人的に食事を作りすぎてしまい、食料が最終日までもたなくなってしまったのだ。このことをせりかに打ち明けられた六太は、一人で勝手にグリーンカードのせいだと勘違いするのだった。
「どーりで大量に作ってると思った! ――悪いのはJAXAだ!」
加耶!贤治!
2012年07月29日
24分钟
閉鎖ボックスでの試験もあと数日。A班はグリーンカードの存在に気づくことができた六太のおかげで、もと通り和気あいあいとした雰囲気に戻っていた。だが食料不足という問題は続いており、ジャンケンで食事を取り合うことに。
「ジャンケンを超える公平な方法はあらへん。負けても文句言うなよ!」
古谷はそうハッキリとした口調で言うのだった。
そして、ついに六太もグリーンカードデビューをすることになる。それは『唐突に叫びをあげ、ほかのメンバーを驚かせなさい』というもの。初のグリーンカードに張り切っていただけに、その内容にガッカリする六太。
「なんか俺のだけ方向性が違う……」
一方B班では、――また新たな問題が起きていた。パソコンに記録していたテストの点数データが、すべて消えてしまったのだ。溝口はここぞとばかりに、ライバル視しているケンジを犯人扱いする。しかしケンジは、冷静に自分の意見を伝えた。
『2人選んでくださいとは言われたが、選ばれた2人が宇宙飛行士です、とは誰も言っていない――JAXAが見たいのは、誰かが選ばれた結果ではなく、どんなふうに受験者たちが選ぶのかっていうことだ』
と。その言葉に同じ班のメンバー・手島も賛同するが、溝口だけは違った。手島とケンジに、選ばれても辞退するよう迫ったのだ。
溝口の横暴とも取れる言動に、険しい表情を浮かべるケンジは、ひとりバスルームにこもり、心を落ち着かせようと耐えていた。
『帰りたいって思うのは……俺だけか……?』
ケンジは、娘・風佳が自分を送り出す時に発した、『かぺー!』という言葉を思い出す。どんな意味だろうと考えていたところ、便座での排便に挑戦している風佳が、がんばれと言われ、それを反復するように『かぺ』と言いながらしていたことに気づいた。風佳の期待に、やる気をみなぎらせるケンジ。
「がんばれ、か……ちゃんと意味もわかってて――……しょーがない、かぺるしかないな!」
说再见的前一天
2012年08月05日
24分钟
閉鎖ボックスでの生活も残り2日。B班では、それぞれ自分の好きなものについて談話していた。手島は異星の海洋生物を想像したデッサン、北村は今読んでいるSF小説、そしていつの間にか富井も加わり、みんな楽しげな表情を浮かべていた。
ケンジがうまくきっかけを作ったことにより、ギスギスしていた雰囲気が、ようやく改善されたのである。
『これでよかったんだ――最初から。終わる前に気づけてよかった』
そんなB班の様子を見ていた管制では――。
星加が満足気な言葉を漏らしていた。「これが、見たかった」星加は、ケンジか溝口、どちらがリーダーとしてB班の雰囲気を作り出すか、敢えて2人にはグリーンカードを出さずに待っていたというのだ。
「種明かしをしてやろう。2人にとっては――救いのグリーンカードだ」
一方、A班では。
「良いニュースと、悪いニュースと、あと、微妙なニュースがあります――どれから聞きたい?」
六太がみんなを集め、重大なことを発表しようとしていた。悪いニュースは、明日の食料がないこと。良いニュースは、六太が小麦粉と調味料を発見したということだった。
「これで明日はうどんが食えるぜ、みんな!」
楽しげにうどん作りをはじめるA班のメンバー。六太が、『作り方は天文学者・シャロンに教えてもらった』と明かすと、シャロンと親しいことに一同羨ましげな声をあげた。六太は感動した。なぜなら、子どもの頃天文台に友達を誘っても誰も興味を示さず、誰もついて来てくれなかったのだ。
様々な宇宙の話をしながら、六太は目頭を熱くする。
『ここにいたんだ――誘ったら、喜んでついて来てくれそうな連中が……――ここにいたんだ!』
しかし――……。
「そういえば――もう一つの微妙なニュースって?」
福田の言葉に、六太がゆっくりと、神妙な顔で答えた。
「……ニュースっていうより再確認で……明日、必ず……この中から二人、選ばなきゃいけない……」
楽しい時間には、限りがあったのだ――。
最严酷的考验
2012年08月12日
24分钟
閉鎖環境での生活も、ついに最終日。日記を書く者、成績表を見つめる者、受験者たちはそれぞれの想いを胸に、最後の朝を過ごしていた。
六太は、『宇宙飛行士にふさわしい2人』の選出方法について、ずっと考えていた。
『どーやって決めればいいんだ?』誰だって自分が一番宇宙飛行士になりたいと思っているに決まっている。5人の中からその2人を自分たちに決めさせることは、グリーンカードより何より一番酷い仕打ちだ、と。
そんな思考から逃れるように、六太はまた『コロコロ六太』へと変身する。六太が出した成績は、ダントツの最高記録だった。
時間は刻一刻と過ぎ、管制からいよいよ指示が出された。
『どんな方法でも構いません。2時間以内に2人を選んでください』
六太は結論が出せず迷い悩んでいた。非情に切り捨てるのではなく、運に任せるべきなのか、と。
『どっちが正しいんだ……? 正しい方法は……?』
ふいに、六太はシャロンの言葉を思い出す。
『迷った時はね――どっちが楽しいかで決めなさい』
「――ジャンケンで決めようか」
六太が提案した方法は、ジャンケンだった。一同が驚く中、いち早く古谷が反対する。古谷はこれまでやった全課題の成績を記録しており、ジャンケンには納得できないというのだ。そして、歯を食いしばって続けた。
「俺は……最下位や――最下位やったわ 俺……」
古谷の中で、もう2人は決まっていた。その名前を言おうとした時、六太が口を開く。
「やっさん、前にスルドイこと言ってただろ――ジャンケンを超える公平な方法はない――って」
この5人はジャンケンみたいなものであり、グーみたいなヤツ、チョキみたいなヤツ、パーのようなヤツがいるのだと。
「誰が一番強いか、答えを知ってるヤツいるか?」
ジャンケンで決める方法に納得したA班のメンバーは、それぞれ拳をかまえた。そして――。
『ジャンケン――――ホイ!』
ボックス内に、しっかりと、大きな声が響き渡った――。
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